KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

良い球出しの方法はなぜか教えられていない

2021年12月10日(金)

また、テニスの話です。レッスンでスクール生同士がラリー練習をする場合、どちらかが最初のボールを相手に打ちます。球出し、あるいはボール出しと呼ばれる行為です。コーチは球出しのトレーニングを受けていますので、常に相手が打ちやすいボールを出してくれます。しかし、スクール生同士だと、球出しがそう簡単にはいかないのですね。

最初の球出しがうまくいかない人が多いです。短すぎたり、長すぎたり、強すぎたり、弱すぎたり、いきなりスピンをかけたり、スライスをかけたり、とにかく安定しない。球出しのボールが安定しないと、ラリーがうまく始まらないのです。良い球出しは、回転のあまりかからない素直なボールで、ちょうど良い長さ、ちょうど良い強さのボールです。でも、うまい球出しをしてくれるスクール生は少数です。

理由は簡単です。スクールでは適切な「球出し」の方法を教えていないからです。ストロークも、ボレーも、サーブも教えているのに、球出しだけは教えていないのです。教えていないから、球出しの練習もありません。こうして、いつまでたっても、上手な球出しができないままのスクール生が量産されるわけです。その結果として、球出しが下手であることが原因で、ラリー練習の数割は確実に無駄になっていると思います。

実際、私も球出しが下手でした。球出しの仕方は教えられていなかったために、自己流でした。あるとき、そのことに気づいて、YouTubeで「テニス 球出し」で検索してみたら、球出しの方法を教えてくれる動画が山のように見つかりました。それをみて、良い球出しをするように心がけてみたら、上手な球出しができるようになりました。正しい方法を学び、練習すれば簡単にできることなのです。でも、誰もそれをしてないのですね。

こんなふうに、教えられるべきスキルが、実は教えられていないことって意外とあるような気がしています。