2022年12月9日(金)
少し長めの文章を書いていると「行き詰まる」ことはよくあります。「筆が進まなくなる」という現象です。こういうときは、いくらがんばっても文章は出てこないので、文献を読むなどの別のことをするのが有効です。
しかし実は、いきなり文章をタイプしていくという書き方が無謀なのです。プロの作家の執筆の裏側を観察すると、たくさんのメモ書きや構成図などがまずあって、それに基づいて書き進めていくパターンがよく見られるのです。
ですので、行き詰まらないための執筆システムを自分なりに構築することが解決に至る近道です。それは、「手書きマップ→箇条書きドラフト→原稿タイプ」という3層のシステムです(図参照)。
まず、「手書きマップ」から始めます。テーマを中心に置いて、そこから枝を伸ばしていく「マインドマップ」形式が最も簡単な方法です。これで、アイデア出しをしていきます。どんなことでも思いついたものを書き留め、それを枝のどこかに位置づけていきます。
そうすると、主要なアイデアが出てきますので、それを見ながら、「箇条書きドラフト」を作ります。この段階ではもうタイプしてもいいのですけれども、私は手書きでドラフトを作っています。iPad上で書けば、移動や挿入も自由にできます。
ここまでできたら「原稿タイプ」に入り、実際に文章を作っていきます。
このシステムのポイントは、行き詰まったら前の段階に戻ることです。原稿をタイプしていて行き詰まったら、箇条書きドラフトを見直します。そうすると何か足りないものを発見します。そうしたら追加します。
箇条書きドラフトで行き詰まったら、手書きマップに戻ります。そうすると、そこで見逃していたものを発見します。そうしたらドラフトに追加します。
こんなふうにして行き詰まるごとに前の段階に戻って作業をします。そうすると、行き詰まりっぱなしで何も進まないという状況を避けることができます。