KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

【学会誌】査読の仕事を快く引き受けて欲しいと思う

2023年4月3日(月)

日本教育工学会(JSET)の編集幹事を終了した。けっこう長いことやっていて、調べてみると、2003年から2011年までの8年間やり、4年間の間を空けて、2015年から2023年までの8年間、累計で16年間勤めたことになる。4年間空いているのは、たぶん連続でできないからということだったと思う。

編集委員は1999年からだから、20年以上JSETの編集にかかわったことになる。

学会誌の編集委員は完全にボランティアだ。目立たない仕事ではあるけれど、学会というシステムの土台をなす一番重要な仕事だと思う。論文投稿をする人は、時に厳しいコメントをしてくる査読者を目の敵にするかもしれないけれども、論文誌はボランティアの査読者がいなければ成立しない。

良い査読者は、投稿された論文の質を高め、投稿者を成長させ、学会コミュニティ全体の質を上げる。そのためには、投稿・査読のシステムがうまく回っていることが大切だ。まれに、ほとんど査読コメントなしに簡単に投稿論文がアクセプトされる学会誌もあるけれども、それは意味がない。査読者は楽だし、投稿者も楽だし、簡単に業績を稼げるということになるけれども、本当にそれは意味がない。誰にも成長がないからだ。

アクセプトされた論文がたまった人は、査読の仕事を快く引き受けて欲しいと思う。「自分が査読なんてまだまだ」と思っているときこそ、査読をするべきだ。それは自分を鍛え、さらに研究を進めるための原動力になるはずだ。さらには、そうすることでピアレビュー(同業者による審査)というシステムの中で自分が貢献するということになる。