KogoLab Research & Review

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【本】ラスムッセン『心地よさを求めて: アドラー心理学からみる感情論』(3)

2023年9月11日(月)

ラスムッセン(今井康博訳)『心地よさを求めて: アドラー心理学からみる感情論』(川島書店, 2022)の5章のまとめ。

https://www.amazon.co.jp/dp/4761009454?tag=chiharunosite-22

第5章 生理学的基盤

風邪をひくという症状(Symptom)は、免疫システムが弱るという障害(Disorder)が原因となって起こる。ここで、免疫システムが弱ることの原因としてはいくつかが考えられる。たとえば、睡眠不足、レポートの山、恋愛の悩みなど。この関係性は「心理・生理モデル」に当てはめられる。一方、風邪をひいた人には、咳止め薬や抗ウイルス薬が処方される。この関係性は「医療モデル」である。

DSMは治療の必要性を記しているだけ。何が障害であるかはその時々で変わる。たとえば同性愛のように。

感情の問題は医療モデルでは扱えない。その代わりに「生物心理社会モデル」が必要となる。しかし、心理・環境・生理の相互作用を理解できる科学者はいない。

心理プロセスが生理プロセスに影響する。また、生理プロセスは心理プロセスに影響する。たとえば薬物によってハイになり、幸福感を感じるなど。このように心理プロセスと生理プロセスは調和する。いずれにしても心理プロセスは感じられたプラス(Felt plus)に向かう。これは進化の行動原理である。