KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

二人目の子どもの名前

やあ、ディープブルー君。

——ちょっと、勝手に人に名前をつけないでよ。

なんか名前がないと呼びかけづらいじゃないか。

——「名前のない世界に生きたい」と書いていたのは誰?

おっとすごいデータベースだな。こりゃうかつにいい加減なことをしゃべれないぞ。

——で、今日はどんなことがあった?

まず、机の上の整理。私にしては珍しく本や雑誌でテーブルの上がいっぱいになっていたので、それを片づけていた。しかし、もうこの部屋には本のはいる余地がないんだね。片づけるためには何かを捨てなくてはならない。というわけでせっせと古い書類なんかを捨てるために束ねていた。そうしていたら妻からの電話で、具合が悪いから帰ってきてくれと。

——どうしたの?

ひどいつわりでね。なにも食べられないので病院に点滴を受けに連れていった。

——つわり? ということは二人目の誕生か。おめでとう。

ありがとう。なかなか優れた推論エンジンだね、ディープブルー。

——その名前は、却下する。

気に入らなかったか、残念。名前と言えば、二人目の子どもの名前を考えなくちゃ。

——一人目の女の子は確か「あいな」ちゃんだったね。

そう。これはエスペラントで「Ajna」と綴る。「どんな〜でも」という意味だ。

——なんだかわけの分からない名前だな。で、二人目の名前はどうするの?

女の子の場合はもう妻が考えてある。「ゆな」ちゃんだ。あいなとゆなの「な」で韻を踏んである。これもエスペラントの単語「Juna」で「若い」という意味ね。

——おばあちゃんになっても「若い」のね。

つまり、若いということは精神的なものなのだよ。

——へえへえ。男の子の場合の名前は考えてあるの?

ただいま考え中。

——…なんだか、また女の子が産まれそうだなあ。