KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

書かなくていいことは書かない

 書くことに関する本の原稿を書いている。その中で「書かなくていいことは書かない」なんてことを書いたら、この日記が書きにくくなっていることに気づく。いかんな。

 書かなくていいこととは誰にとってのことなのか。もちろん読者にとってのことだ。読者にとって何の情報をもたらさないことは、書かれなくてもいいことだ。書かれたことはたいてい新規情報になる。しかし、誰かの今晩のおかずを知っても、私がどうなるというものでもない。私にとってどうかということを情報の基準としてハードルを上げれば、私にとっての情報はかなり少なくなる。

 しかし、日記を読みに行くのは情報を得るためばかりではない。むしろ日課の散歩をしているようなものだ。路地に入れば、そのお宅の晩ご飯のにおいが漂ってくる。そんなふうにしてここに生きていることを確かめたりする。