KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

電子教科書

 教科書の最後に出版社のホームページのURLを載せようとしたら、文部省から待ったがかかったというニュースを読んだ。

教科書は執筆から使用開始までに3年ほどかかるため、授業では古いデータを使わざるを得ないのが実状。このため、教科書会社はホームページで最新の統計データを提供したり、教師や生徒からの質問を受け付ける窓口を設けるなどの工夫をしているといい、会員会社のある幹部は「文部省は情報教育の重要性を訴えているが、本気で取り組む考えがあるのか疑問。文部省の政策は余りにちぐはぐだ」と話している。(毎日新聞8/31、Yahoo! News

 教科書の出版社のホームページには、教科書以外の情報も当然載っているから、宣伝になることを文部省が考慮した結果の判断らしい。しかし、ここに引用した教科書会社の反論「文部省が情報教育に本気で取り組んでいるのか疑わしい」というのは、八つ当たり気味だが、痛いところでもある。

 仲裁案は簡単で、「教科書専用のホームページ」を作り、そのURLを載せたいと文部省に申請すれば良い。これなら文部省も断るわけにはいかないだろう。もちろん教科書ホームページからその出版社やその他へのリンクは良識の範囲でOKだろう。教科書専用ホームページを作るくらいの手間を惜しんではいけない。

 教科書研究センターの「センター通信」によれば、「新しいメディアに対応した教科書・教材に関する調査研究」が行われているようだから、将来的にはCD-ROMなど、紙以外のメディアでの教科書が作られていくのだろう。そうなれば、現状では、価格を抑えるために、ページ数の制限がされ、そのために必ずしも十分な説明が書かれていない教科書も改善される。教科書をCD-ROMにすれば、文章は実質的にいくらでもいれることができるし、写真や図版、音声・音楽やムービーもいれられる。

 もちろん電子教科書が使われるためには、子ども一人に一台の使いやすいノートパソコンが配布されることが前提条件だ。パソコンというよりも、(ノーマンの提案に従えば)単機能の情報アプライアンスになるだろう。CDを入れるだけで、すぐに内容が読めるようなもの。

 娘が小学校に入る頃には、そんなふうになっているのだろうか。