私はほとんど夢を見ない。おそらく、毎日何らかの夢を見てはいるのだろうが、朝起きてみるとまったく覚えていないのだ。夢を研究する人たちは、枕元にメモ帳を置いておき、目覚めたらすぐに夢の内容をメモするというような努力をしているそうだ。確かに、目覚めた直後はなんとなく内容を覚えているような感じもある。が、メモも取らないのですぐに忘れてしまうようだ。
ところが、年に数回は、強烈な夢を見ることがあって、それは起きたあともしばらく覚えている。それほど、クリアーでリアルな夢だ。
「そんなところにいないで、世界に出ようよ」とその人は言うのだ。その人とは実在の人。顔もそのまんまで出てくる。「そうそう、さあ一緒に」と言って、その人のパートナーも誘う。これも実在の人。なんなんだろう。実に象徴的ではあるのだが。