鈴木芳樹『スローブログ宣言！』

スローブログ宣言!

最近では、不特定多数に読まれることを意識した文章はブログでかき、内輪向けの文章はmixiなどのSNSで書くというスタイルも一般的になりつつある。なぜならSNSなら本当に親しいひとや、「このひとには読んでもらいたい」と思うひとにだけ日記を読ませられるからだ。オレは「はてなダイアリー」とmixiを利用しているが、mixiではあまり確証のない噂話、その場かぎりの冗談などを書くようにしている。アクセスするひとが増えるにつれ、「はてなダイアリー」にはうかつなことを書きづらくなってきたからだ。

ウェブ日記からBlogの上陸、そしてこれからといった話題を、著者自身、日記を書き続ける一人として論じている。日記才人やテキスト庵といった話題も取り上げられていて、私には同時代の出来事として親近感をいだいた。

「大切なのは書き続けること」、「趣味だからこそ長続きさせよう」という言葉で締めくくられる。そう、そうなんだよね。だけど、今の私には、日記猿人（今の日記才人）の時代がむしょうに懐かしく、輝いて見える。著者が言うように「文体が内容を決める」。加えれば、「誰が読むかで内容が変わる」。自分しか読まない日記と、限定読者のmixi日記、そしてオープンな日記と、書き分けるのにもリソースを消費する。でも書かないわけにはいかないんだ。