KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

研究のための基礎トレーニング:順番が大切

2022年1月4日(火)

記録によると2015年からマーチンにテニスのコーチを受けているので、2022年で8年目になります。週に2、3回コーチを受けてレッスンをしてきました。最近やっとテニスが楽しくなってきました。楽しくなってくるためにはこれくらいの時間がかかるということですね。週5時間テニスをしているとして、1年で250時間、8年で2,000時間ですか。まだまだ先は長いですね。5,000時間や1万時間の域に達するまでには。

思い返してみると、最初の頃はとにかく強い球を飛ばすことに集中していました。だからフォアハンドはスライス禁止で、必ずトップスピンで打たなければなりませんでした(今でもそうです)。この期間が長かったですね。イップス気味のスランプに入っていたような気もします。イップスとは簡単にできていた動作が急にできなくなる現象です。それを改善するためにマーチンはいろいろなトレーニングを工夫してくれました。それを脱してから、次々とうまくいくようになりました。

安定したストロークはテニスの基本です。それなしではテニスのゲームは成立しません。だからマーチンはまずそこを直していったのだと思います。ストロークができないのに、ボレーやスマッシュやサーブをやってもあまり意味はないのです。その順番が大切です。

研究をするためには、「論文を読む・現場を観察する・そして書く」という基本動作が必要です。これがテニスでいうところのストロークです。この動作の中には「考える」ということが自動的に入ってくるので、「考えろ」という指示は不要になります。「読み、観察し、書く」ということを指示するだけでいいのです。

それができて初めて自分の研究をスタートさせることができます。研究を始めれば、そのときに使うさまざまなテクニックが必要になってきます。しかし、それは基本のストロークができて初めて意味を持つものです。基本のストロークができていないのにゲームのテクニックを習っても意味はありません。ゲームの形ばかり真似してもゲームにならないのと同様に、研究の形だけ真似しても研究にはなりません。その順番が大切なのです。