2023年8月27日(日)
日本看護学教育学会第33回学術集会@福岡国際会議場の2日目に参加する。会場は祇園から海の方に歩いて20分で着いた。会員数は4000人ほどと聞いた。けっこうリッチな感じ。
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せっかくなのでまずポスター会場に行ってみる。ポスター発表は意外に量的研究が多い。尺度開発とか。テキストマイニングもけっこう使っている。なぜか発表者はそこにはいなくて、ポスターのみが貼ってある。ので、質問とかはできない。それでも全体的な傾向がつかめた。内容・方法的には、このまま教育工学会で発表しても違和感はない感じ。
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経験学習の本を何冊も出している松尾睦(まこと)の教育講演があったので、ノートをとりながら聞いた。本人はZoomから。話45分、質疑15分。
教育講演3
松尾睦(まこと)(青山学院大経営学部)
経験学習を促す認知的徒弟制による指導
人材成長の決定要因 70:20:10
70% 仕事経験(直接経験)
20% 他者からの指導
10% 研修
経験学習サイクル(Kolb)
経験する
振り返る/振り返りの壁
教訓を引き出す/教訓の壁
応用する/応用の壁
教え上手の人はこのサイクルを回せる
6ステップアプローチ:伝統的徒弟制(1-3)と認知的徒弟制(4-6)
1. モデル提示:基本的な説明を受け、手本を見せてもらい、追加説明を受ける:エビデンスを示す
2. 観察と助言:自分のことをよくみてくれている→安心:実施中だけでなく実施後にも助言する
3. 足場づくり(外し):難しいところでは足場を残す:段階的な育成計画を立てる
4. 言語化サポート(Articulation) 思考を言葉にさせる:思ったことを自由に話せる雰囲気を作る:待つこと
5. 内省サポート 熟達者と比較させ、振り返らせる:「こうやった方がもっと良くなるよ」、へこまないような声かけ
6. 挑戦サポート 自律的な問題解決を促す:目標を一緒に考えてくれた
→自己成長感に回帰する
深く考えさせるには
Gibbsのリフレクティブ・サイクル(1998)
「記述」、「感覚」、「推論」、「分析」、「評価」、「行動計画」の6つのステップ
まず事実の確認から
何が起こったのか
何を感じたのか
何が良くて、何が悪かったのか
なぜその状況になったのか
この経験から何が学べたか
また同じ状況になったらどうするか
これらをスモールステップでやっていく
サンドイッチ法
ほめて、叱って、ほめる
そのパターンが部下に予測されてしまうとかの弊害あり
私の感想
・これはOJTベースだよね
・現場でどう指導するかということ
・最初の3ステップはガニエっぽい
・「シンキングタイム1分」が何気にうざい。本人がしゃべっているので。8分ごとにやっている?
・しっかり説明して、深く考えさせる。日本の学校は「考えさせすぎ」(by 市川伸一)
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午後からは今回の仕事であるワークショップでのレクチャー。ロケットモデルを使って研修を設計してみようというもの。レクチャーは15分で、あとは30分のワークの時にグループを回ってアドバイスを入れていた。
80人くらいの参加者が4-5人のグループに分かれてワーク。みんなとても熱心。私の本を読みましたという人がちょいちょい声をかけてくれて、嬉しい。
全体は90分で時間不足気味ではあったけれども、充実していたと思う。