KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

わかりやすい文章を書くための技術

富山大学の言語表現部会では年に一回、学生と教員を対象にした講演会を開いている。今年は、テクニカルライターの冨永敦子さんをお招きして、「わかりやすい文章を書くための技術」ということをお話しいただいた。冨永敦子さんは「タッチPC」で連載記事を持ち、またたくさんのコンピュータ関連の書籍を出している。

学生向けの講演会には50数名が集まった。私の専攻の一年生20人にはぜひ参加するよう動員をかけたが、それ以外は自発的に来てくれた学生さんだ。やはりテクニカルライターという仕事に興味をもっている人が増えているように感じた。

教員向けの講演会には24人が参加した。この中には学生も一部含まれていた。

講演の内容としては…

わかりやすい文章を書くためには、全体の構成と項目立てが大切であるということ。そしてそれをどのような順番で説明していくか(概要→詳細、重要度の高い順、など)。項目が立てられれば、あとはその内容を埋めて行くだけで、骨格ができあがる。あとは、文章のリズム感などに注意を払えばよい。

特に、冨永さんが実践している、取材から原稿記事を書くところまでの実例は面白かった。とりわけ、インタビュー前の準備が大切なこと。すでに、その時点でかなりのプロットが決まっていること。インタビュー後はそのプロットをどんどん詳しくしていくことで原稿ができていくこと。ワープロでは、アウトラインモードを活用して、つねに全体の構成のバランスをチェックしていること。推敲では実際の印刷と同じようにレイアウトしたものをプリントして、それを声に出して読み、引っかかるところを重点的に書き直す。こういったところが参考になった。

会社ではインストラクターを半年やると、すぐに教材テキストの一部を書かせていくことにより鍛えていくそうだ。テキストを書くということについて、大学教員にもこうしたシステムが必要かもしれないと思った。