KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

本当に自分が伝えたいもの

まもなく、やっと前期の授業が終わろうとしている。この前期は、例年になくタイトなスケジュールであったような気がする。毎日が、授業の準備に明け暮れて、それ以外の仕事、とりわけ実質的な研究や原稿の執筆には、あまり時間が取れなかった。これは、2カ所の看護学校で、心理学の授業を新しく受け持ったことによるものだろう。

とはいえ、そのことを後悔しているわけではない。それどころか、心理学の授業を受け持ってよかったなあと考えている。これまで私が受け持ってきた授業はどういうわけか「普通の心理学」(世間が考える心理学という意味)を避けてきた。情報処理やプログラミング、統計学といった授業を受け持ってきた。心理学に近いところでは、認知科学という科目があるけれども、これは実験系の心理学を骨格にしている。

というわけで、普通の心理学を教える機会がなかった。そう考えると、教育工学もそうで、これも授業としては教えていないのだ。なんで、こうなってしまったのかな。振り返って考えてみると、私は昔から、本当にやりたいものの横をすり抜けて、その周辺からやってみて、その周辺から抜けきれずにここまで来てしまったような、そんな気がしている。

「本当にやりたいもの」って、なんとなく、それに直接触れることをためらわせるような力がある。のではないか。もしかして。いや、そんなたいそうなものではないかもしれないけれど。

これからは、本当に自分が伝えたいものを伝えていきたいと思っている。