この春、勤め先では、ブロードバンド・インターネットを利用した新しい形の通信教育を始める。
こうした形の通信教育には潜在的なニーズがたくさんあるようだ。すでに社会人として職業に就いている人が、もう一度自分の専門を深めたり、さらに視野を広げたいとして、仕事が終わってからの時間に通信教育に取り組むケース。あるいは、海外に住んでいるために日本の大学に通えない人でも、インターネットを使えば、何の問題もなく授業を受けられ、BBSで討論に参加できる。すでに退職・引退して、時間の余裕があって(でも引っ越すことはできなくて)通信教育に取り組もうとする人。
こうした人たちに共通の特徴は、学ぶ目的が明確で、動機づけが高いということだ。社会にでて、職に就き、何らかの責任を持つようになった人たちが再び、学問を学びたいと思うときは、きっと日々の実践知に飽き足らなくて、それを理論的に、あるいは広い視野でとらえてみたいと思うようになるのだろう。逆に言えば、そういうことに気がついた人が通信教育に志願してくるのだろう。だから、動機づけが高いということは当然の帰結でもあるのだ。
こうした人たちを相手にして教える教員は、逆に、彼らから多くの刺激を受けるのではないだろうか。