KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

学力評価法の新たな可能性(教育心理学会1日目午前)

評価の機能として、測定・診断の他に「学習の方向付け」という重要な機能がある。たとえば、穴埋め問題をテストとすれば、暗記方略を取る学習者が多くなる。では、暗記方略の効かない穴埋め問題(すでにキーワードが出ているような文章)を作ったらどうかというのが村山さんの研究。結果はそれでも暗記方略をとる人が多い。つまり、テストの内容ではなく形式で学習方略が規定されるということだ。

「文脈」というキーワードは広すぎると、警告されたが、それでもやはり文脈がキイになる。数学の学力のポイントは、現実の問題を数学的問題に変換する能力であり、それは、現実問題の文脈を読み解き、(数学世界にとって)大切なものとそうでないものに区別する力なのだ。

パフォーマンスアセスメントは、フィギュアスケートやピアノの演奏のように、特定の文脈でのふるまいを評価しようとする。ルーブリックを使用するにしても、パフォーマンス自体は分割不可能(competency clusters)ということだ。パフォーマンスアセスメントのポイントは、信頼性や客観性を「追求しすぎない」、しかし、評価の透明性を確保することだという。