KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

「能力主義」、「新しい能力」、そして「測りすぎ」

2021年5月14日(金)

ハローフライデー! 向後です。

マイケル・サンデルの『実力も運のうち:能力主義は正義か?』(早川書房, 2021)は注文したところです。今、話題になっているようです。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4152100168?tag=chiharunosite-22

誰もが機会を公平に与えられて、その上で個人の努力によって培われた能力を公平に判断される社会が良かれと考えられてきたわけです。しかし、その能力も実はどこに生まれたかという偶然やその時代に何が重要な能力とされるかという偶然によって評価されているにすぎないというわけです。

10分でわかる日本のメリトクラシー(≒学歴社会)研究史
https://kozakashiku.hatenablog.com/entry/2021/05/13/020320

というブログ記事を読んでみると、「メリトクラシーとは、能力を基準にして選抜を行う仕組みのことである。実際には、教育における競争によって選抜を行う、という形をとる」とのことです。

さらには、「「新しい能力」論は今なお根強い、どころかますます盛んになってきており、社会は一層「新しい能力」を求める方向へシフトしている。こうした「新しい能力」を要求し、それが地位達成に影響する新たなメリトクラシーを、本田由紀は「ハイパー・メリトクラシー」と名づけている」ということで、ここでいう「新しい能力」とは「主体性や自ら考える力」となります。

こうした問題を、ミュラーの『測りすぎ』本を材料として考えてみると何か方向性が見えてくるかもしれません。

【本】ジェリー・Z・ミュラー『測りすぎ』:測定基準を設け評価することによる弊害と教訓
https://note.com/kogolab/n/n8e283c0f93c5

では、みなさんも良い週末を!

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向後千春メールマガジン(発行者:向後千春 kogo@waseda.jp)

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