KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

理科系の日記作法/ダーリン仮説

 TUD's Diary(暫定日記)の上田さんからリクエストも出ているので、きのうに引き続き、上田さんとの会話から。今日は豪勢にも、二本立て。

 「理科系の作文技術」なるものがあるのだから、「理科系の日記書き技術」と呼ぶべきものもあるだろう。

 理科系日記の第一の特徴は、箇条書きである。それは、

・たとえばこんなふうに書かれたり、

●こんなふうであったり、

  • あるいは、こんなふうなスタイルをとる。


 厳密にいえば、箇条書きというのは文章ではない。だから句点「。」も打たないのがルールである。しかし、理科系日記においては、それは問題ではない。とにかく彼らが書くときは、文章の先頭にとりあえず「・」や「●」を無意識に打ってしまうのである。さすがに通し番号を付ける日記はない(いや、一つくらいはあったかもしれない)けれども、彼らの書く日記は必ず「・」や「●」で始まるのである。

 箇条書きで書くということは、一つの話題について、一段落で終わるということだ。改行するということは、次の箇条に進むということだから、話題は改行する前に終わらなくてはならない。したがって、一行で終わる場合もあれば、何十行も改行なしに読み進めなければならない場合もある。改行なしに50行を読むのはかなりつらいことだ。しかし、これは「ワントピック、ワンパラグラフ」の原則を忠実に守ったものである。箇条書きスタイルで、しかもそれぞれの項目の長さはバラバラであること。これこそが理科系の日記作法なのだ。

 これに対して典型的な文科系日記は、だらだらと続く。彼らにはパラグラフの概念がないので、気が向いたら改行するのである。原則はない。なんとなくである。もっとも、書く内容も一貫性がないのであるから、パラグラフも無用なのである。日記本来の姿とも言えるだろう。

また、
このように強制改行を駆使している
文章もある。
この方法は、うまく意味的な区切りで改行することによって
読み速度と理解を促進するという
心理学的実験もあるので
なかなかあなどれない形式ではある。
しかし、
やはり典型的な文科系日記のスタイルといえるだろう。
一歩間違えるとポエム日記になるからである。

 ということで、理科系日記の第一の特徴は「箇条書き」スタイルであるということを主張した。

 もう一つの話題は「ダーリン仮説」である。これは、Web日記の作者は、日記中で自分の夫を呼ぶときに「ダーリン」もしくは「だーりん」、「だ〜りん」などと呼ぶケースが有意に多いのではないかという仮説である。これは当然女性の日記に関する仮説ということになる。

 もし、作者たちが日常生活においても夫をダーリンと呼んでいるのなら、まあ納得するのである。ふだんの呼び方を日記でも使ったということだ。しかし、日常的にダーリンという呼び名を使っている人を私はあまり知らない(妻をハニーと呼んでいる人も知らない)。なぜ日記の中でダーリンを使うのか?

 どなたか研究熱心な方がおられたら、ぜひ「ダーリン」についての調査を実施して、次回のWeb日記学会で発表していただきたい(まだあったのか?)。